鋼の心

染まった手。










あの日から…ルシュアは
さらに塞ぎこみ始め
ビオとしか話さなくなっていた。


もう…舞を踊る事もしない。


ただ…用意された部屋のベランダで、
ぼーっと空を眺めるだけ。


「飯くらい食え。」

「…食べたくないわ。」

「理由は?」

「…食欲が無いの…。」


一日に6回は繰り返されるこの会話。


ビオは同じ答えしか出さない
ルシュアを…
黙って見守る事しか
出来なかった。





その原因が…
誰かという事を知っていながら…。





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