恋のSEASON
「あ、そうだ。マヒルひとつ言っておく。」



急に夏樹くんが真面目っぽい低い声を出した。



「なあに?」



「他の三人は知らないけど、俺はゲームなんて思ってないから。マジだから。」




私の目を見て語る夏樹くん。

心臓がドキドキいってる。
ずっと目を合わせていられなくて、スッとそらしたら今度は冬矢先輩と目があう。



「もちろん僕もだよ。」



いつものニコニコ顔でそう言う。
若干の胡散臭さを感じつつもペコリと頭をさげた。





「俺は目、そらされただけなのに、冬矢にはペコってするんだ。」



それを見ていた夏樹くんがぶすっとしてそう言った。

深い意味はないんだけど・・・。



ちょっと落ち込みモードの夏樹くんがかわいいな~とか思っていたら、そんな夏樹くんに冬矢先輩はバカなことを言った。



「まあね。僕とマヒルちゃんは相思相愛だからね。」




んなこと言わなきゃ一番かっこいいはずなのに・・・と、思わずにはいられない。




結局、余計なことを口にしてしまった冬矢先輩は私と夏樹くんからチョップをくらわされたんだ。


バカだ・・・。


そんな冬矢先輩も悪くはないけど・・・やっぱりウザイ。顔は一番いいはずなのにね。学校では一番人気なのにね。





「まあ、もし今の段階で冬矢に負けてるとしても春と秋斗には勝ってるからいいや。」



夏樹くんが思い出したように言う。私も忘れていた。春と秋斗の存在。



「あの二人はもう敵でもなんでもないだろ。」



冬矢先輩も言う。


もし、私が実は春かあっきーに惹かれていたらどうなんだろうか。そんなことないと思うけど。





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