恋のSEASON

恋する乙女同盟

「え?バレた?」



比奈子ちゃんはちょっと顔を歪ませて痛々しく笑った。


・・・比奈子ちゃんでもそんな風に笑うことがあるんだね。本当に気が付かなかった。



「なんか元気ないな~って感じた。悩み?聞くよ?」



「あー・・・聞いてくれる?」



「もちろんだよ。」



比奈子ちゃんはポツリポツリと小さな声で話しだした。


私の胸はキューってなる。



「最近ね・・・冬矢さんが・・・話かけてくれるの。前からずっとファンで・・・でも、最近はライバルとして意識してて・・・。」



「うん。」



「なんかさ、冬矢さんは眞妃琉が・・・好きなのわかってる。でも、負けられないなって耳元で言われたらドキドキしたり・・・でも、誰にでも優しくする冬矢さんだから言ったのかな・・・とか考えてたりして。」



「うん、辛いね。」



「ちょっと西都と話してたら、仲いいの?とか聞かれて・・・誤解されたくないとか思ったり・・・なんか自分が変なんだよね。」



「うん。」



「さっきもロビーで会ったの。来てたんだって・・・比奈子ちゃんが羨ましいなって・・・そう言われたらキツくて。」



「うん・・・。」





比奈子ちゃんの今の気持ち・・・


痛いほどにわかる。

そして、もうひとつわかった。



夏樹くんといると変になる私の気持ちの正体も。

私の鈍さはさて置き・・・(汗




「比奈子ちゃん。」



涙を流していた比奈子ちゃんの顔を覗き込んだ。つらそうな顔を見ると私まで辛い・・・。



< 72 / 98 >

この作品をシェア

pagetop