恋のSEASON
「大丈夫。私も同じ。」





「眞妃琉も?」





比奈子ちゃんはキョトンとした。案外、自分のことには鈍いのかもしれない。


・・・仲間だ。


私たちはちょこっと似ているからこそ、仲良くできるのかもしれないね。





「うん。」



「なんで?冬矢さんといるとやっぱり変になるの?」



・・・比奈子ちゃん、想像以上に鈍く見えるのは気のせい?



「違うよ。でも、変になったり異常にドキドキしたりするのはわかるの。」



「西都に?」





ちっがーーーーーーーう!!

比奈子ちゃん・・・本当に変になってるよ~・・・。いつもの比奈子ちゃんカムバック。





「宇巳じゃないよ。」



「やっぱ冬矢さん?」



「だから、違う。」



「じゃあなんでわかるの?」




はぁー・・・。





「私が、夏樹くんが好きだからだよ!!」



自分で叫んでおきながら、かなり恥ずかしい。耳まで赤くなっているのがわかる。


しかも、比奈子ちゃんはキョトン顔。まさか・・・まだわかんないわけないよね?





「眞妃琉・・・夏樹さんのこと好きなんだ。なんとなくわかってたけど・・・嬉しくて悲しいのはなんでかな?」



「うーん・・・冬矢先輩のこと諦めなくて済むけど、冬矢先輩の失恋は比奈子ちゃんも辛いんだと思う。」












「そっか・・・私、冬矢さんに恋してるのか。」



しばらく黙っていた比奈子ちゃんはお菓子を口に運んでつぶやいた。





「そうじゃないかな?私が言ったことだから信用はできないけどね。」



「そんなことないよ。眞妃琉はすごいね。自分のことにはかなり鈍いけどね。」



「比奈子ちゃんに言われたくないよ!」



比奈子ちゃんと私はクスクス笑った。お互いに胸の内を吐き出せて、スッキリしたのかもしれない。

それから2人で宿題をやった。



時折、どちらかに勉強を教えあったりテレビを見たりしながら。


気付けば18時を過ぎていた。



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