only one
「化け物だー!!」
廊下から飛び込んできた声。
開けられたままのドアの向こうの廊下に尻餅をついた男が後退りをしながら指を指して私達を見ていた。
「チッ…」
マツは小さく舌打ちをして痣のある掌をその男に向けると男の動きがピタリと止まったんだ。
「本当に時間がない。
遥夢、説明は後でする。俺と一緒に生きろ。」
言葉と同時に今度は壁に掌を向けるマツ。
白い壁に黒くシミが広がっていった。
「マツと一緒なら私は大丈夫だよ。」
マツじゃなきゃイヤだよ。
マツとなら何があっても幸せなんだ。
心から思える私はマツに言葉を掛けてからニッコリと微笑んだ。