only one
「バカにしてんのか?
おろせ!
花の世話なんかやってられねぇぞ!
っていうかしたこともねぇ!」
「これから覚えればいい。」
「ふざけんな!」
「ふざけた覚えはない。春香様の為の温室だ。
その辺の奴に任せてはおけないんだ。」
俺の心を見事にくすぐる彰人の言葉に俺は結局逆らうのをやめて温室の世話係として屋敷に雇われることになった。
しかもご丁寧なことに温室には俺の部屋も用意されてあり、荷物ももう運び入れているという。
「こっちだ。」
彰人に促されて案内された温室。
手入れされているのがよくわかる綺麗な温室だった。
「俺、花枯らす自信あるぞ。」
「そんな自信はどこからくるんだ?」
「なぁ彰人…
お前の話し方そんなんだったか?
なんか違和感あんだよ。」
「あぁ、俺もだ。」
「あ゛?」
つぅか…
てめぇのことだろうが!
言葉にならない悪態をつく俺に彰人は温室の奥に位置する小屋ね扉を開けて、
「ここだ。」
声を掛けると足を踏み入れた。