only one


俺の荷物、とはいっても衣類しか入ってないボストンバックが1つポツンと置かれていた。


「この部屋で寝起きするんだ。」


「本格的な部屋じゃねぇか。」


ベッドなど生活に必要なものが全て揃った部屋。

店の奥を使わせてもらっていた今までの部屋との違いに驚く俺について来いと言うように手を動かして更に奥の部屋への扉を開けた。


「ここがお前の本当の仕事場になる。」


大きな機械。


モニターがたくさん並んだ、まるでテレビ局の装置がそのまま設置された部屋だった。


「あ゛?」


「あ゛じゃねぇよ!
頼んだぞマツ!
頼りにしてるぞ。」


言葉遣いが本来の彰人に戻り、仕事の内容の説明を一通り聞いた俺は正式な彰人の仕事の手伝いを引き受けた。


この屋敷に来てから半年。


今日のように人が集まり騒然とした状態は初めてだった。


モニターのスイッチを全てONにする。


そして目の前のモニターから目が離せなくなった。





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