only one
ディアスと一緒に歩きながら信じていいのかそうでないのか頭の中で私と私が口論をしていた。
「マツもこのことは知ってるんだから大丈夫よ」
「冗談でキスするような軽薄な男に着いていって大丈夫なわけないじゃない」
「どんな人かもわからないのに気を許しちゃダメ」
「でもマツとすごく親しそうにしていたから大丈夫よ」
飛び交う言葉に私は判断なんてつかなくてただ黙ってディアスのエスコートに従って歩いていたんだ。
「お前頭ん中でアレコレ喋りすぎだ。全部聞こえてるぞ。」
ニヤリと笑って私に話しかけるディアスの声にびっくりして彼に目を合わせるとディアスは笑いを堪えているかのように小刻みに震え顔も目一杯力が入っていたんだ。
「もしかして..ディアスも頭の中の話聞こえちゃうの?」
マツにも全て筒抜けだったんだ。
不思議だけどこの世界の人は人の頭の中を覗けるんだろうか...
もしもそうならとっても厄介だよ?
それでなくても私は一人会話を頭の中でしちゃうんだもん。
「全員でないけど頭の中覗き見ることが出来る奴もいる..かな?」
「マツも?」
「見れるな。」
「じゃあディアスも?」
「それは内緒..」