【奏】ミントチョコレート
身構えたまま

今か今かと

アイツが話すのを待ってたけど…



気付けば――…。





「えぇ!?まぢで?

私もその映画見たいと思ってた」


「来週の公開が楽しみだよなぁ」


「あっ良かったら岩瀬君一緒に行っちゃう?」


「おっいいねぇ

フジモとかと趣味合わねぇんだよな」


「あぁ…わかる〜

フジモ映画あんまり見ないもん」



驚くぐらい打ち解けてた。


岩瀬君ってこんなに喋るんだ…。



話せば話す程


好きな音楽


好きな映画


好きな本


好みが似てる事を知り


どうして今まで
毛嫌いしてたんだろうかと
自分に疑問が沸くぐらい
会話に盛り上がり
楽しさを感じてた。


もっと早くに話しとけば
嫌悪感抱かなかったし
勿体無い事してたなぁ
って思うぐらい。


岩瀬君の住むアパートは
私の降りる駅より
一駅通過した場所にあるらしく―


「知らなかった〜

今まで同じ電車にならなかったなんて不思議〜」


そう不思議がる私に

ふわりと岩瀬君は笑って


こんな顔もするんだってますます驚いた。

< 12 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop