孤高の狼に捧ぐ恋唄


くくく、とアロンが笑った。

「珍しいねぇ~?

目の前で女が犯されてても『我関せず』と傍観してるアンタがさぁ。

なに?この女、そんなに大事ぃ?」



ずきん、と私の心臓に刺さった。



『女が犯されてても』

「……やめて」


だって、月の妹さんは……



キリキリと心臓が鎖で締め付けられる。


月から冷たい空気が流れている。



月……


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