孤高の狼に捧ぐ恋唄


私は無理矢理笑顔をつくって言った。



「羽生さんが大丈夫だっていうと、なんか安心します」



羽生さんは力強く頷き、立ち上がった。



「そろそろ行くよ。

ちゃんと体を休めるんだぞ」



そう言って、病室を出て行った。



私はその扉を見つめながら、月のことを考えていた。

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