孤高の狼に捧ぐ恋唄

必然と自然



家に帰ると、案の定父親が玄関に立っていた。



しかし、私が泣きはらした目で帰ってきたのを見て、何も言わずにそっと離れていった。



私は自分の部屋へ入り、ドアを閉めてその場へ崩れ落ちた。



会話が出来たことで舞い上がっていた私の心は、拒絶された現実に悲鳴をあげていた。



数日前まで、『キレイな記憶だけでいい』なんて思ってたけど、

会いたい……

見つめたい……

知りたい……



これは欲張った罰なの?


< 47 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop