孤高の狼に捧ぐ恋唄


「好きにしろ」



言葉は私を突き放してるけど、声や目は少しだけ優しくて。



不覚にも、私の頬を温かく伝うものがあった。



月はちょっと困った顔をして、新しいおしぼりを持って来てくれた。



「ありがと……」


おしぼりを持ってきてくれて。



ありがと……

優しくしてくれて。

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