愛した名前


全部見ていく。




やっぱり、あきらだったんだ・・・。




ねぇ、あきら・・・どうして?


そんなに、私が好き?




・・・ごめんね。


謝るから・・・


あきらの気がすむまでいっぱいいっぱい謝るから・・・


それで気がすまなかったら、私に色々言って?


メールでも電話でも、なんでもして?




だから・・・


けいを、


苦しめないで・・・・・?




けいの悲しそうな顔、見たくないのっ・・・。




「・・・・っ」


「さき・・?」



知らないうちに目からしずくが落ちる。


沢山の涙が、止まらない。




「わっ・・・」


気づけばけいの腕の中。


あの日と同じ、けいの温もり。




「だから、見んなって言ったのに・・・さきが悲しむだけなんだから・・・」


けいはそう言って私を強く抱きしめる。





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