愛した名前
「さきちゃ~ん!」
休み時間にみとりちゃんが私の席に来る。
ほとんどたくとが友達のところに行ってる時・・・。
みとりちゃんて恥ずかしがりやらしい。
「たくと君足ひきずってるけど・・・怪我でもしたの?!」
みとりちゃんは小さな声で凄く心配そうな顔で言う。
本当にたくとが好きなんだね。
てか・・・
「言ってなかったっけ?!」
「言ってないよ~・・・!」
首を傾げる私にみとりちゃんは眉をハの字にした。
「中体連で、ふとももを・・・あ!」
私ははっとなる。
そしてみとりちゃんを見て笑顔をつくってみる。
みとりちゃんは『?』の顔で私の目をじっと見る。
「自分で聞いて!」
私はみとりちゃんに分かりやすくウインク。
すると、みとりちゃんはいきなりパニックになる。
「ちょっ、無理だよお~!さきちゃん、何考えてるの?!」
だんだん赤くなる顔を両手であおぐみとりちゃんが面白くてつい、笑ってしまう。