愛した名前

「さきちゃ~ん!」


休み時間にみとりちゃんが私の席に来る。


ほとんどたくとが友達のところに行ってる時・・・。


みとりちゃんて恥ずかしがりやらしい。


「たくと君足ひきずってるけど・・・怪我でもしたの?!」


みとりちゃんは小さな声で凄く心配そうな顔で言う。


本当にたくとが好きなんだね。


てか・・・


「言ってなかったっけ?!」


「言ってないよ~・・・!」


首を傾げる私にみとりちゃんは眉をハの字にした。


「中体連で、ふとももを・・・あ!」


私ははっとなる。


そしてみとりちゃんを見て笑顔をつくってみる。


みとりちゃんは『?』の顔で私の目をじっと見る。


「自分で聞いて!」


私はみとりちゃんに分かりやすくウインク。


すると、みとりちゃんはいきなりパニックになる。


「ちょっ、無理だよお~!さきちゃん、何考えてるの?!」


だんだん赤くなる顔を両手であおぐみとりちゃんが面白くてつい、笑ってしまう。




< 89 / 213 >

この作品をシェア

pagetop