白き旋律
巡る春・3年後
* * *


あれから3年。
今日は…


「なんであたしがこんなに緊張してんだろ…」

「バカだからじゃね!?」

「はぁー!?」

「ここ、大ホールだから静かにね。ほら、悠夜よ。」

「しかし、あいつがここまで成長するとはな。
俺も予想外だよ。」

「紀紗との約束を守るため…なんだろ?」

「ああ。」

「特にここ1年で取った賞の数はんぱないんじゃない!?」

「そうだな。最優秀賞だけで5つくらいか…
コンクールというコンクールには片っ端から出てるからな。
課題曲もそれぞれ違うのに…すごい練習量だ。」

「まぁ紀紗もかなり頑張ってるけどな。
この前なんかで向こうの新聞に載ったらしいぜ。」

「ここまでノーミス…」

「どんだけお前緊張してんだよ。」

「だぁってぇ…
このコンクール、悠夜にとってはいつものコンクールとちょーっと思い入れ違うんだよ…」

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