白き旋律
こうしてだらだらと紀紗とおしゃべりを続けていた。

誕生日聞いたし、俺の家族構成話したし、俺の好きな食べ物も言ったし。
あれ…?
俺ばっか話してたのか…?


まぁ、紀紗の口からは司さんのこととか一切出てこなかった。

でも、話したくなるときが来たら、俺も聞けばいいんだし。
こういうのを楽観的って言うのかもしれないけどさ。

てか気付いたらかなりの大降りになってて困ったけど。



確かに、俺が紀紗の寂しさをなんとかしてやりたいとかって、生意気だし、調子に乗りすぎだと思う。

そもそも俺に出来ることとかって限られていると思うし。

だけど、少しだけ無邪気に微笑んだ紀紗を見て、確かに思ったんだ。





君の幸せな笑顔を、君の隣で見ていたい…と。

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