水色なお姫様





~♪

好きな音楽を聞くとなんだか気持ちよくなってしまう。

あたしはそっと目をとじた




ガチャ


玄関のドアが開く音が聞こえて、跳び起きた。



今何時??

時計は8時をさしていた。


音楽はとっくに止まって、あたしは薄暗い部屋にいた。

階段を下りるとみぃねぇが立っていた。

「お帰り」
というと、3人分のオムライスとケーキの箱をあたしに渡した。


「みぃねぇ、ケーキまで買ってきたの?」

「うん。うちのお店の近くにパフュームっていうケーキ屋さんできて、チョーいいにおいしてたから」

「へぇー」


甘いもの大好きなあたしにとっては嬉しいけど、ママがあの調子だと食べにくい。


みぃねぇと一緒にリビングへ入ると、同時にママのケータイが鳴った

~♪
~~♪♪

いつもより若干長いこのメロディーはお父さんだ。


今まで抜け殻のようになっていたママがスパッとおきた。

ケータイを取ると満面の笑みで会話を始めた。
あたしとみぃねぇは顔を見合わせて笑っていた。
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