水色なお姫様
しばらく余韻が残っていた。
あたしは考えているのか、考えていないのか分からないような顔をして空を見上げていた。
「ワンッ!」
「うわっ」
伝次郎の鳴き声で、驚いたあたしはその拍子にベンチから落っこちてしまった。
いたたたたた・・・
あたしは尻餅をついて、再び現実に戻ってきた。
「あっ!時間!!」
ケータイを開くと、7時?!
伝次郎のリードを引っ張って全速力で走った。
だだだだだだだだ・・・
「はぁはぁはぁ・・」
息を切らせながら、走っていると
「「ドンッ」」
ものすごい勢いで誰かにぶつかった。