水色なお姫様



か、垣本 智吾!!

「お前。こんな時間になにやってんだ?」



あいつが口を開く。

「さ、散歩?」


「ふぅーん」


確かに部活をやっていないあたしには今の時間は早い。

ということは、こいつはテニス部の朝練というやつなのか?


「あんたは?朝練?」

「ん、そんなもんかな?」


ふぅーん。こいつも結構好きな事には一生懸命なんだな。


「あっ。お前さ、あいつとかあんたとか俺のこと呼ぶだろ?」


「だって、名前で呼ぶの嫌なんだもん」


「あっそ。まぁいいけど。でも、俺には名前あんだからな」


それだけ言うと、軽く走りながらあたしの横を通りすぎた。

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