ときどき阿修羅!!
待雪草が如く
「さて。そろそろ中に入ろうか」

 携帯を握り締めて縁側に戻ると、リセさんが立ち上がった。

「……あんまり気が進まないけど」靴を脱ぎながら、リセさんは溜め息混じりにぽつりと漏らす。

 気が進まない?

 頭にハテナを掲げ、縁側から中に入ると、まず居間と思われる部屋。

 外から見えたぶんには……まだアレだったけど……。
 というか、タマキさんの顔しか見てなかったから気づかなかったけど……。

 とりあえず、擬音をつけてみると、「ぐっちゃり」。
 空き巣に入られた後を見事再現したような散らかしっぷりで、その作業工程すら想像できてしまうくらい。

「リ、リセさん……、どうやってそこまで行ったのか教えてください……」

 ひょいひょいと慣れた足取りで進むリセさんの背中に声をかける。

「あー、じゃあ、この部屋から始めちゃおうか」

 くるりと振り返ったリセさんは次の瞬間、想像を絶する言葉をさらりと口にした。

「掃除」

 そ、掃除!?
 無理でしょ!?

 どこから手をつけたらいいのかわからないんですけど!!
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