好き
好き
『あ・・・あの!
ぼ・・・僕・・・・・蘭道さんが・・・・・
その・・・・
初めて見たときから・・・・好きでした!
つきあって下さい!』





私の前で告白してきた彼。

私から見てもガチガチで、おかしくて笑ってしまいそうだった。

彼は『早く返事を。』というような目で私を見る。

はぁ。と小さく溜息をつき息を吸う。



「ごめんなさい。
私、貴方のこと何も知らないの。
だから・・・・・
付き合うことはできない。

・・・でも友達としてこれから仲良くしてほしいな。」


できるだけ彼に傷を与えないように断る。

彼は『ありがとうございました』と言ってこの場から去った。



私、蘭道光莉は周りによると顔はいいほうらしくよく告白される。
自分的には告白される要素はまったくないと思うのだが・・・・

一人教室に向かっていると強烈なタックルが襲ってきた。


・・・翠だ。

小柄なのに大人びた雰囲気の彼女がこんなことをしていると他のひとが驚くんじゃないかな、と思ったけどそんなことを口に出せるわけでもなく、長々と続く翠の説教を私は聞いていた。

『もぉぉ!
また光莉は人を振りおって!
もうちょっと相手の気持ちを考えなさい!』


「だからわた『言い訳は結構!
好きな人もろくにつくらないのになにが『王子様』よ。
現実見なさい!現実!』



< 1 / 5 >

この作品をシェア

pagetop