天使的恋愛論
「どんな風に、っていうか…。作間は何もしなくて平気だよ?」
「うえ!?」
「ただ、普段通り生活してくれれば。俺は傍でずっと観察してるから。」
俺の説明を聞いて、彼女はパチクリと目を開けたり閉めたりした。
これもメモしなきゃな、なんてぼんやり考えながら、俺は作間を見つめる。
「い、痛く…ないの?」
「へ?」
「観察って、痛くない…の?」
「う、うん。」
俺が頷くと、彼女はパアッと明るい表情を浮かべた。
いきなりどうしたんだろうか。
「い、いいよっ!観察しても!」
「えっ?」
「痛くないなら、全然いいっ!」
ガシッ、と俺の肩を掴んで、彼女はにっこり笑った。
痛い観察、って。一体どんなのを想像してたんだろうか。
やっぱり作間って面白いや。
「いい、んだ?」
「うんっ!だって、天祢くん困ってるんでしょっ!?」
そう言って笑う彼女に、俺はゆっくり頷いた。
このテンションの違いはなんなんだろう。本当にあれだ、ほら。
「予測不可能、さん。」
「なんですかっ、不思議くんっ!」
こうして俺達の妙な時間が始まることになった。
そして、彼女以上に予測不可能な人間がいるのかどうか、下界で探してみようという俺の目標もできた。
やっぱり、彼女は予測不可能です。