天使的恋愛論
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「ねえ、咲。」
「あっ、里菜ちゃん!おはよー!」
「うん。おはよう。」
私の前の、自分の席に着き、里菜ちゃんは首を傾げた。
「なんで朝からそんなにニヤけてんの?」
「にっ、にやけ!」
満面の笑みを浮かべて、里菜ちゃんは私の頭を叩いた。
その延長線上には、天祢くんがいる。姿勢からして、眠っているようだった。
寝不足なのかな。
天使もいろいろ大変なんだろうか。
「咲、何か考え事?」
「へっ?う、うーん、考え事っていうか、疑問なんだけど。」
「疑問?」
こくり、と頷き、私は里菜ちゃんを見つめた。
「天使も、寝不足になるのかなあ?」
天祢くんをぼんやりと見つめながら私がそう言うと、里菜ちゃんは眉を寄せて呟いた。
「保健室、行く?」
「ひっ、酷い~!」
天使はいるのに。
まあ、言ったって里菜ちゃんが信じるはずないけれど。
しかも、自分の席の斜め前の席で寝ているなんて。
でも、天祢くん、観察しなくていいんだろうか。
ねていたら、私のこと見えないのに。
「寝てたら意味ないよねえ…。」
「咲、ホント大丈夫?」
里菜ちゃんは、さぞかし心配そうに私を見る。
平気平気、と軽く笑い、私は首を横に振った。
でも、天祢くんは大丈夫なんだろうか。
もしかしたら、具合悪いとか。天使って風邪ひくのかな。