天使的恋愛論


「……うーん、」

「咲、じゃあ、また後でねっ!」


里菜ちゃんは、微妙に苦笑いをしながら私から離れて行った。

次、授業なんだったっけなあ。
ぼんやりとそんなことを考えていたら、肩を叩かれた。


「作間、おはよ。」

「あっ、加瀬くん!」


振り向いた先に、加瀬くんがいた。
手には、日誌。


「日誌。今日も、作間だよね?」

「う、うんっ!ありがとうっ!あ、そ、そういえばさっ!昨日も届けてくれたんだよねっ!?あたしボーっとしててっ!」


あはは、と笑いながら言った私を見て、加瀬くんは目を丸くして言った。


「さ、作間…落ち着いて話せよ。」

「えっ、え?」

「一気に話されてもわかんないし。」


はは、と笑いながら、彼は私の頭を日誌で軽く叩いた。

あ、これ。昨日、天祢くんもやった。
なんだろ、流行り?いや、そりゃ無いよな。天祢くん、流行りとか鈍そう。ていうか知らなそう。


「作間?」

「うあっ!ご、ごめん!ボーっとしてたっ!」


ハッ、と我に返った私を見て、彼は声を出して笑った。


「作間って、変なの。」

「しっ、失礼だよ!」


受け取った日誌で、私も彼の頭を軽く叩いた。
痛いよ、なんて言いながら、彼は笑った。


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