さようなら。
「あたしは

ずっとずっと

達也が好きなのよ!

なのに

なにも知らない

あんたなんかに

譲らないわよ!」

女の人の手が

上がった瞬間――

思わずあたしは

目をつぶった。

パシッ

少し鈍い

音がする。

だけど

痛くない……

恐る恐る

目を開ける。

女の人はまだ

手を上げている。

その

上げている手を

掴んでいる手。

「元カノが腹いせに

手ぇ

出してんじゃねぇよ」




……テツ……先輩?




「玲奈しつけぇよ

浜谷に付きまとったり

佐倉さんに当たったり

いい加減

やめろよ」

おととい話したよりも

ワントーン低い声で

女の人に言った。
< 26 / 150 >

この作品をシェア

pagetop