闇夜の数だけエゴはある
人間達が知らないだけで、この渡蘭市には多くの亜吸血種が存在する。

その多くは吸血行為をせずとも生命を永らえさせる事ができる。

それ故に人間とも共存している。

…ただ、やはり吸血鬼は名門の血統。

この地にひっそりと隠れ住み続けるつもりはない。

幾つかの名門亜吸血種がその勢力を伸ばし、この地を掌握しようとしている。

人間を支配したい訳じゃない。

闇の世界を牛耳りたい訳じゃない。

ただ、自らの自我(エゴ)を満たす為だけに。

欲望の為に他者を屠る。

私達はそういう生き物だった。


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