闇夜の数だけエゴはある

渡蘭市が『血濡れの楽園』と呼ばれ始めた、その黎明期。

この街には幾つもの亜吸血種の家系が乱立していた。

元々吸血鬼というのは闇の眷属の中でも名門と呼ばれる血統。

それ故に誇りの高さも矜持も、他の人外の比ではない。

当然この地を掌握すべく、闘争が始まる。

自分以外の亜吸血種を屠殺、抹殺、滅殺する為に。

たとえ元は同じ血を分けた一族の者であろうと屠った。

私達亜吸血種は闘争こそが本義。

所詮は血塗られたヒトデナシ。

話し合いなどという生温い解決策など持ち合わせていない。

殲滅、断絶、絶滅、消滅。

根絶やしにするまで、敗北を認めるまで。

人間達の知らない闇の中で、その禍々しい戦いは数十年間に及んだ。

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