闇夜の数だけエゴはある
やがてその血で血を洗う闘争にも一つの終わりが訪れる。

結局、闘争が終わった時点で一番勢力を保っていたのは私達杖縁家。

他にも幾つかの血族がその闘争で生き残ったものの、最早杖縁家に盾突くほどの余力は残していなかった。

認めた訳ではない。

受け入れた訳ではない。

許容は出来なかったが、甘んじるしかなかった。

渡蘭市は杖縁家の管理下となり、以後、現在へと続く。

そんな闘争の中、儚の出碧家はその一族の殆どが皆殺しという凄惨な結末を迎えていた。

亜吸血種とは化け物。

人外。

ヒトデナシ。

刺して、千切って、潰して、刻んで、踏みにじって。

それでもなお息を引き取らない超越種。

その超越種が皆殺しの末路を辿ったのだ。

その闘争がどれほど激しいものだったのかは想像がつくだろう。

ともかく殆どの出碧の血族は根絶やしにされ、当時幼子だった儚だけが、出碧の生き残りとして現在まで生き永らえた。

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