えんどう豆のゆくえ
教室
 女子バレー部の気合の入った掛け声が、教室の前を通り過ぎてゆく。

 頭痛を誘うような野太い声は野球部、その合間に聞こえる美声は音楽室で活動している合唱部だろう。

 私の待っている人は、その美声のどこかで歌っている人だ。
 パートはメゾで、ピアノの伴奏も兼ねている。

 何でもできる彼女は小学校の頃からの親友で、今でも一緒に帰るという習慣は変わっていない。

 もっとも、変わっていないのはそのことくらいで、彼女が私からどんどん遠ざかっているのも事実だ。

< 1 / 35 >

この作品をシェア

pagetop