椅子取りゲーム
「多分その必要はないと思う。なにもなかったし。結構さがしたよ」
と、詩音。彼女の状況状態に問われず冷静な判断が今は正直怖い。感情が見えない故に。だが本当は殺される危険性、が怖いのだろう。犠牲になって生かすのと犠牲にされて生きるのは違う。
…いや、友人を疑うな。詩音だ。大切な友人だ。信じるんだ
「春樹…君?どうしたの?顔、怖いよ」
「大丈夫だよ。美穂」
考え込んでいたか。
「事故した場所…てがかりはないかもしれないけど、何か…わかるかも。」
「行ってみる価値は…あるか」
「私車回してくる」
杞憂…だ
詩音が叩いた頬の痛みを思い出せば、わかる。
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