2つの世界
大丈夫。普通に話せる。

それに、もともと仲野さんと2人だった。

2人に戻っただけ。

でも…何かが崩れていった。

あたしは、桜の時いろんな芸能人と付き合うようになった。

何回も違う人と報道された。でも、本気でつきあってなんかなかった。

麻莉の時はまじめだけど。

優花も、『花』って芸名でデビューした。

あたしと組むことも多くなった。

優花は全部知ってるから、何も言わないでいてくれた。

悠斗は悠斗で、荒れていってた。

黒髪は、茶髪になってた。

それなりにちゃんと着ていた制服も、そこら辺のチャラいのと同じだ。

他校の悪いのとつるんでるって噂もあった。

あたし達は、どこかで道を間違えたんだ。

「もう、麻莉!!男遊びはやめなさいよ。」
「べつに遊んでないよ。ちょっと一緒にいただけ。」
「あんた、どうしちゃったの?まぁ、それがネタになってバラエティーでも、活躍してるけど…。」
「なら、いいじゃん。」

そう言いつつも、あたしも自分がよくわからない。

いつの間にか忘れてた、波留さんとの勝負。

忘れたまま、あたしは高2になった。クラスは変わらないから、優花と一緒。

この日の仕事で久しぶりに波留さんと会って思い出した。
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