絶対キケン恋愛-☆年下王子とLOVE×PANIC!☆-
運転手が意味の分からない発言をした次の瞬間、あたしの身体は宙に浮いていた。
「なっ………!?」
「すいません、琴弥様。
少し我慢して下さい」
運転手はぶっきら棒に言うと、あたしを抱えたまま歩き出した。
様々な角度から浴びせられる、岬サマファンの冷たい視線。
あたしはその視線に怯えながら、運転手の肩をギュッと掴む。
運転手は、そんなあたしの様子に気付いたのか、誰にも気付かれないようにあたしの背中を優しく叩いてくれた。
「………ッ…!!」
そんな運転手の気配りに、何故かあたしの体温が上がっていく。
あたしは真っ赤になりかけの顔を隠しながら、ひたすら運転手の横顔を見ていた。
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