彼は…彼女は…

「作り笑いに気づいてくれたお礼だ。」




先程の鈴の発言が気にかかるが、顔には出さず、そう言い笑った。




「あ、初めて笑った。」




「あ。たしかに。」




「なんで自分でたしかにとか言ってんの!」




鈴は笑いながら隼人のいる扉のところまで、歩いてきた。 




「いいんじゃね?」




そう言い隼人も笑った。 


キーンコーンカーンコーン 



ちょうどよく、3時間目の終わりを知らせる鐘の音が鳴った。 




「じゃあ、学校の前のカフェで待ってるから。」




「分かった。じゃ。」




そう言い隼人は屋上から出て行った。




「また後でねー!」




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