ケンカ上等☆不良校上々↑↑
あ、だとすれば、芽咲も騙されてるってことになる?
幼なじみだから、それくらいは理解してるのかな。
「先生、じゃあね〜」
のん気に手なんか振っちゃって。
「おまえ、俺のほうに多くプリント寄越しただろ」
「あれ〜、バレた?」
来た道を戻って教室を目指す途中、言われてみれば確かに。
太陽の持ってるプリントの量に対して、翼の手にある量のがかなり多い。
「手痺れんじゃ〜ん。
翼のが力あるし、がんばれよう」
「ふざけんな。
次やったら全身痺れるまで殴ってやる」
いや、殴るのはよくないんじゃ……。
でも本当に重そうだし。
あたし、今何も持ってないんだよね。
それなら、ここは平等に。
「太陽ってば不公平だよ。
あたし、翼の半分持つ」
翼の目の前まで回り込んで、両手を伸ばす。
一瞬だけ絡んだ視線に、大きく心臓が脈打った。
「こ.これくらいで、半分かな?」
ドキドキを悟られないよう、隠すことに必死。
ちゃんとプリントが半分に分けられてるかとか、そんなもの知るか。
あたしの指、震えちゃダメだ。