ケンカ上等☆不良校上々↑↑
それから、聞きたいことがあるはずなのに、声にならなくて。
空気に含まれるのは、今までになかった重さ。
困惑して目を泳がせてると、
「俺さ」
不意に翼から口を開いた。
「モノで自分を縛りつけてれば罪が消えんじゃねぇかって思ってた」
言われてる言葉の意味がわからなくて、黙ったまま続きを聞く。
「けど、それって結局は自己満足なんだよな。
なんも変わんねぇ」
視線を落とした翼につられて、あたしもまた落とした視線。
指輪は今、翼の手の中。
その指輪を握る手に、微かだけど、力が加えられた気がした。
「みくる」
名前を呼ばれて顔をあげると、いつになく真っ直ぐな眼差しがあたしを捉える。
と、同時に、あたしたちの間を横切った生暖かい風。
「………もう、リーダーやんのやめろ」