マジックストーン
わあーっと叫びながら追いかけてくる男の子たちはさっきより人数が増えていて。
どうして私追いかけられてるのおっ!……そういえば、タカジくんに『明日気をつけてね』って昨日言われたっけ?――そ、そんなこと今思い出しても遅いんだからとりあえずどうにかしなきゃっ。
きしきし軋む体を一生懸命動かし、二つ目の角を曲がった時、ポケットに入れておいた携帯が震えた。
「はっい!もし――」
『あんたどこで何やってるのよおっ』
息があがって話すのも精一杯な私を遮ったのは梨海ちゃんの怒号。
「りっ梨海ちゃっ……た、すけっ!」
『ったく、どこで神崎先輩とほっつき歩いてるかなんて知らないけどねえ。いくらなんでも油売りすぎよっ。確かに役に立たないけどちょっとは仕事考えてあげたのに、どうして戻って来な――優衣?』
「たすけてっ……梨海ちゃ、わたしっ」
『優衣っ?! どうしたの?! 神崎先輩に何かやられ――えっ。ちょ、タカジ何や――』
急に梨海ちゃんの声が遠くなったと思ったら、
『優衣? おれ、タカジ。どした?』
いつもより落ち着いたトーンのタカジくんの声が聞こえた。