君色


「はぁっ…はぁっ…」


朝日が登る数時間前――…。


静まり返る暗がりの部屋に、早すぎる鼓動と吐息の音が響きわたる。




何度見ても目覚めの悪い、円の夢に侵されて

眠れない夜が続いていた。



汗ばむ手に渾身の力が込められる。



なんでなんだよ…?

もう樹里とは別れたのに…

どうして俺を追い詰めるんだよ…!!




もう…いい加減にしてくれ!!


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