僕の女王様
「じゃあ、約束ね」


そう言って差し出された千里の手を引っ張って、からかってやるつもりで、おでこにキスをするつもりだった。


俺が一瞬躊躇してから、決心した時と絶妙なタイミングで千里が顔をあげた。


キスの意味を知ってか知らずか、千里は真っ赤になって、離れていった。


事故とはいえ、自分からしたことを忘れていたんだ。


どおりでご立腹なわけだ。
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