僕の女王様
例年は、公募制で今年もそうなるはずだった。


当然、公募制にすれば女王様の人気も手伝って選ぶだけで一仕事だ。


だから、今回の提案は一応、理にかなっている。


と、思う。


だからと言ってこれは別の話だ。


僕にもたぶん用事はあるし。


女王様に言わせれば「くだらない」の一言で片づけられそうな用事だと思う。


「海斗、すぐに生徒会室にきて」そう、呼び出されたのはかれこれ20分前。


すぐに済むからという理由で教室で待たされていたのも、今を思えば女王様の戦略だったんだと思う。


と、言うかそうに違いない。


女王様の行動のすべてに意味がある。


と、言っても凡人の僕には事後にしか理解できないことばかりだ。


だから毎回振り回されてしまうのはよくわかっている。
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