続きの俺様!何様?執事サマ!?
その言葉に、体が強張る。
前、されかかったときのことを思い出して、震えた。
「…………あは、冗談ですよ」
だけど、その反応に満足したのか、ハエバルは私から離れる。
そしていまだにキレイな弧を描く、カサつきのない自分の唇を舐めた。
「愛さんから来てくれる日まで待ちます。俺、ペットですから」
そう言ってべろ、と私の頬も舐めるハエバルは、本当に犬みたいだった。
ていうか、そんな日は一生こない。絶対。
「それじゃ、飼い犬が手を噛まないように、首輪。もらいますね」
ハエバルの手が私のネクタイにかかった。
私は、ぱたりと手を下ろす。
「………ハエバル、きらい」
「そうですか。俺は愛さんすきです」
かみ合わない会話を交わし、ネクタイはハエバルの首におさまった。
「気分はどうですか?」
ハエバルが心底楽しそうな笑顔で聞いてきた。
返事はもちろん、
「…………最悪」
それしかないでしょ。
そこまで言っても、ハエバルは笑顔を崩さない。
本当に、悪趣味だ。