現代戦国時代
「姿を隠しながら、近づくには丁度いいな」
 
手で雨粒を拾いながら、源内はニヤリとした。
 
「源内、気を付けなよ。また、あの時みたいになりたくなかったらね」
 
銃を組み立てながら、孫市がつぶやく。
 
つぶやかれた側の源内は、少し口元をひくつかせた。 

何か嫌なことがあったようだ――
 
俺は、あえてそこには触れずに、大きく深呼吸をして前を見た。
 
荒野にたたずむ巨大な城。
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