芋女
―そのまま、ウソのように何事も無く6日が過ぎた。
明日で終わり。あさって、出発。
学校のみんなにも、もちろん希穂にも何も言ってない。
希穂、怒るだろうなあ…。
だってあたしが逆の立場だったら、絶対無言で転校なんてして欲しくない。
だけど、もうそんなの考える余地も無い。
部屋を見渡す。ダンボールの山。
一番端っこに置いてある、
「小学校の思い出」
のダンボールを開けた。
あたしと、みんなが、笑っている。
今度こそ泣きそうになった。
もう、こらえるのが得意になってきたのかもしれない。