芋女
母の声は真面目だった。
大事な話って何なんだろう…
あたしはため息をついてから言った。
「…わかった。今から行く」
『うん。」
電話を切り、携帯をカバンの中に戻して、立ち上がり、くるっと希穂のほうを向いた。
「ゴメン希穂!なんかお母さんが話あるから帰ってこいて言われて…ごめんね。またメールする」
「ええ~っそうなん?わかった。ばいばーい」
希穂は少し残念そうな顔をしながら立ち上がって、部屋のドアを開けてくれた。
「ごめんね!ばいばいっ」
希穂の家の階段を下って、自転車に乗って、家に向かった。