至適彼氏
「葛城、本当はいいヤツなんだよ。しつこいけど、早く仲直りしろよ。」

「大森君、ありがとね!!」



あたしはそれだけ言うと、走り出した。


『葛城君に会いたい。』


それが今のあたしの原動力。




真っ直ぐに、教室へと向かった。
確証は全然ないけど、きっとここにいるって思った。



いた。

窓に向かって立っている男の子。
夕日が教室全体に射し込み、オレンジ色に染まっている。
葛城君の髪も、夕日に反射してキラキラしている。



「葛城君…。」

呼びかけても、当然返事は無く外を向いたまま。

冷たくされてもいい。
どうしても葛城君の顔が見たい。



「お願いだから、あたしのコトちゃんと見て。」






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