秘密の味
歩きながら思った

里沙さんはまだお兄ちゃんにこだわるのかなと

あの時
してもらえなかったのにまだ彼女でいたいのかと


ガランとする教室
二人だけの空間が異様に冷たい


「有ね…抱いてはくれなかったの。まぁ…知ってるとは思うケド」

「……はい」

「家に行ったのはよかったケド…押しがたりなかったのかな?それとも…隣の部屋に誰かいたから…出来なかったのかも」


明らかにわかる
チクチクしたトーン腰につたわる私がいたからと言う裏

「誰かが…でかい声あげなきゃこうはならなかった」

「わからないじゃぁないですか…?里沙さん」

誰か?

はっきり言えばいいのに

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