見えない恋。
今日はやけに暑い日だった。
ワイシャツが汗で背中にべっとりと張り付く。

家に帰って私はすぐにパソコンを開いた。

いつものチャット広場に行くと、今日は全然人がいなかった。

だから適当な部屋に入室して、ちょうど一人の話し相手を見つけた。




話す相手なら誰でも良かった。


さち>こんばんわ^^

いっちー>こんばんわ^^

さち>よかったら話しませんか?

いっちー>いいですよ♪


だから相手の年齢も、住んでいる場所だって、

聞く必要がなかった。

話し相手がいれば良かった。



さち>なんか寂しいですね~

いっちー>なんで?

さち>最近失恋したばっかなんですよ~…

いっちー>そうなんだ~



だけど、


私はいつのまにか退室ボタンを押していた。
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