お姫様と1.5人の男
「思えばすっ飛ばしていたのう……プロポーズってやつを」


……これはつまりあたしは結婚を改めて申し込まれていると言う事?


「桜太が生まれた時に見たこの場所はの……りつ子に結婚を申し込んだ場所でもあるんじゃ」


ああ、だからなのかな?神主さんが桜太君に対してあんな事を言ったのは。

神主さんが何で知っていたかは知らないけれど、

玄一さんが此処でプロポーズした事を知っていたんだ。


「桜太の小遣いじゃそれがいっぱいいっぱいな上に、サイズが分からなくてのう……
だったら首からぶら下げるようにリングをネックレスに通そうって事になって。
サイズが違ったら嫌だしのう……まあそれで許してやっての」


玄一さんはあたしの手を取って、自分の口元に持ってくると口付けをする。

あたしは今にも顔から火が出そうな勢いです……突然すぎるから。


「雪佳ちゃん、儂と結婚してくれないかのう?」
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