准教授 高野先生のこと

披露宴のあとは、ちょっとした同窓会みたいになりそうだと聞いていた。

だから、声が聞きたかったけど電話をするのはちょっと我慢。

遠慮して今夜のところは簡単にメールだけ。

手紙が届いたことの報告とお礼、今夜はこちらに来ているというお知らせ。

まるで事務連絡みたいな簡潔なメール。

たくさん聞いて欲しいことはあったけど、会って直接伝えたかったし。


すごく眠かったわけじゃないけど、10時半にはベッドに入ることに。

眠ってしまえば一足飛びでワープするみたいに朝がくるような気がして。

目を閉じて次に目を開けたときにはもう朝になっていることに期待して。

本当に自分でもバカみたいだと思うけど――

まあ、とにかく早く寝てしまおう!という戦略なのである。

いつもはきゅうきゅうの狭さになるベッド。

だけど今夜は大の字にだってなれてしまう……。

寛行さんのパジャマを抱きしめて、思いっ切りすーんとくんくんくん……。

猫みたいに背中をまるめて小さくなって、明日を待ちわびながら目を閉じた。


< 391 / 462 >

この作品をシェア

pagetop