【奏】春に降る雪
その日から私はハルの話の聞き役。




瞳子先輩と話した内容とか、どれだけ瞳子先輩が素敵かとか…

好きな人から聞かされる他の女の人の話は正直きつかった。




それでも嬉しそうに話すハルを、身近で見れる事が嬉しくて、いつも聞き役になってしまう。





そんな日々が何ヵ月も続いて、少しずつ…ほんの少しずつ苦しくなってきてた。




最初はハルの嬉しそうに話す姿を見れるだけで良かったのに。




瞳子先輩を見るハルの姿

瞳子先輩の事を話すハルの声

瞳子先輩を思い浮かべるハルの表情

その全てが私に対するモノとは全然違う事が切なくて。





諦めようと思った。




この気持ちは叶うことはないんだって。





でも




ついこの間ハルが言った一言で別の決意が生まれ始めてた。







ハルに




好きと伝えようかなって




そんな決意






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